「うちの会社にもミッションを作ろうと思うが、社会貢献のようなきれいごとで本当に売上が上がるのか?」

経営者の方から、こうした疑問を投げかけられることは少なくありません。多くの人が、ミッションを「CSR(企業の社会的責任)」や「SDGsのアピール」と同じ引き出しに入れてしまっています。

しかし、ビジネスにおけるミッションとは、決してボランティア精神の表明ではありません。

今回は、AAIIのクリエイティブディレクター・フジヰにインタビューを実施。きれいごとを一切排除し、ミッションが企業の「利益」や「マーケティングの数字」に直結する、極めて実利的なビジネスの武器であるという本質について話を聞きました。

ミッションがない企業は、永遠に「価格競争」から抜け出せない

AAII編集部: ビジネスにおいて、ミッションは「社会貢献」とは違うのでしょうか。

フジヰ: 全く違います。ミッションとは「自社がこの社会で果たすべき役割」、もっと泥臭く言えば「私たちは、社会のこの不条理をこういうやり方でぶっ壊す」という『戦略の宣言』です。

機能や品質が均質化(コモディティ化)した現代のビジネスにおいて、ミッションを持たない企業が陥る末路は一つしかありません。それは「価格競争」です。「他社より安くします」「他社より早く納品します」という、自社の利益と社員の体力を削る消耗戦でしか勝負できなくなります。

AAII編集部: ミッションがあれば、価格競争を避けられるのですか。

フジヰ: はい。強烈なミッションを持つ企業は「モノ(機能)」ではなく「意味」を売ることができます。顧客は「安さ」ではなく、「その企業が掲げるスタンスへの共感」にお金を払うようになる。つまり、ミッションとは無駄な価格競争から脱却し、高い利益率を確保するための「儲かる仕組みの土台」なのです。

世の中の実例:マイクロソフトを劇的に復活させた「言葉の力」

AAII編集部: ミッションが実際の業績(利益)を劇的に変えた、世の中の事例はありますか。

フジヰ: ビジネスにおいてミッションがいかに強力なツールかを証明したのが、サティア・ナデラCEOが就任した後のマイクロソフトです。

かつてのマイクロソフトは「すべてのデスクにPCを」という創業時の目標を達成してしまい、次に向かうべきミッションを見失っていました。その結果、社内は部門間の激しい縄張り争い(サイロ化)に陥り、株価も低迷、AppleやGoogleに大きく遅れをとっていました。

AAII編集部: 大企業病に陥っていたのですね。

フジヰ: そこでナデラ氏は、新たなミッションとして「地球上のすべての個人とすべての組織が、より多くのことを達成できるようにする」と掲げました。

これは単なるきれいごとではありません。「自社製品(Windows)を売ること」から、「クラウドやAIを通じて顧客の成功を支援すること」への、ビジネスモデルの根本的な大転換(戦略)の宣言だったのです。このミッションのもとで組織は再び一つになり、彼らは凄まじい業績のV字回復を果たし、世界トップクラスの時価総額を取り戻しました。ミッションとは、ビジネスの数字を動かす最大の原動力なのです。

実例:ミッションが「集客コスト(CPA)」を劇的に下げる

AAII編集部: フジヰさんご自身の実体験の中で、ミッションがマーケティングの数字や利益に直結した事例を教えてください。

フジヰ: 私が現在、VMV策定からマーケティングまで一貫して伴走している、ウエディングプロデュース会社の事例が非常に分かりやすいです。

結婚式業界は、巨大なポータルサイトに多額の広告費を支払い、割引キャンペーンで顧客を奪い合うという、血みどろのレッドオーシャン(価格競争)に陥っています。

AAII編集部: 広告費をかけないと集客できない業界ですね。

フジヰ: ええ。もし彼らが「お客様に最高の笑顔を」といった無難で中身のないミッションを掲げていれば、同じように莫大な広告費(CPA:顧客獲得単価)を溶かし、利益を圧迫していたはずです。

しかし彼らには、「結婚式を、人生の目的を再確認する本質的なライフイベントへと昇華させる」という、業界の大量生産型の結婚式に対する強烈なアンチテーゼ(ミッション)がありました。

AAII編集部: そのミッションが、どうビジネスの数字に影響したのでしょうか。

フジヰ: この尖ったミッションがあるからこそ、私たちは「ポータルサイトでのマス向けの広告や、安売りキャンペーンは一切やらない」という明確なマーケティング戦略(やらないこと)を決定できました。

その代わり、彼らの「スタンス」に深く共感してくれる層だけを狙い撃ちにするブランドコミュニケーションを構築しました。ミッションが「強力なフィルター」として機能した結果、無駄な広告費(CPA)は劇的に下がり、価格ではなく価値で選ばれるため利益率も高く保てる。ミッションという言葉が、最強のマーケティングツールとしてビジネスを牽引しているのです。

AAII流:ビジネスで勝つためのミッションの条件

AAII編集部: 利益を生む「ビジネスの武器としてのミッション」を作るには、何が必要でしょうか。

フジヰ: 社会貢献のポエムから脱却し、以下の2つの厳しいビジネス要件を満たしているかを確認してください。

  1. 誰に「嫌われるか」を明確にしているか 全員に好かれようとする言葉は、誰の心にも刺さりません。自社のスタンスを明確にすることは、「この価値観に合わないお客様は、追わない」というターゲティングの宣言であり、それが無駄な営業コストや広告費の削減に直結します。
  2. 「価格競争」を抜け出す意味があるか 自社のミッションは、顧客が「他社の方が安くても、御社にお願いしたい」と言ってくれるだけの強烈な「意味(大義)」を持っているか。ここが利益率を決定づけます。

AAII 企業理念・VMV開発支援:ポエムを捨て、利益を創るインフラを設計する

あなたの会社のミッションは、ただWebサイトの会社概要ページを埋めるための「飾りの言葉」になっていませんか?もしそうなら、あなたの会社は今この瞬間も、得られたはずの利益と優秀な人材を取り逃がしています。

AAIIでは、きれいな言葉を納品するような仕事はしません。大手事業会社で厳しいKPIを追ってきたビジネスの視点から、自社の利益率を高め、集客や採用のコストを圧倒的に下げるための「実利のインフラ(ミッション)」を設計します。

社会貢献のアピールを終わりにして、ビジネスで確実に勝つための強靭な言葉を共に創り上げましょう。

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