世の中の誰もが知る有名なブランドには、必ずと言っていいほど「名前の由来」が存在します。そして、私たち消費者は無意識のうちに、その由来という名の「ストーリー」に惹かれ、共感し、そのブランドのファンになっています。
これから新しいブランドやプロダクトを立ち上げる際、単にかっこいい言葉を選ぶだけでは、熱狂的なファンを作ることはできません。顧客の心を打ち抜き、長く愛されるブランドを作るためには、「なぜその名前になったのか」という必然性のあるストーリー(由来)が不可欠です。
今回は、AAIIのクリエイティブディレクター・藤井にインタビューを実施。ただのモノを「意味のあるブランド」に変えるための、ストーリーテリングとネーミングの関係について話を聞きました。
なぜ有名ブランドには必ず「由来」があるのか
AAII編集部: ブランド名において、「由来」はなぜそれほど重要なのでしょうか。
藤井: 人間は、単なる「モノ」や「機能」には感情移入できませんが、「ストーリー(物語)」には強く感情移入する生き物だからです。
たとえば、スターバックスという名前の由来は、小説『白鯨』に登場するコーヒー好きの航海士「スターバック」から来ています。ナイキは、ギリシャ神話の勝利の女神「ニケ(Nike)」が由来です。これらの由来を知ると、ただのコーヒーチェーンや靴メーカーが、急に「ロマンや信念を持った特別な存在」に見えてきませんか?
AAII編集部: 確かに、名前の裏側を知ると見方が変わりますね。
藤井: それがストーリーテリングの力です。ブランド名に込められた由来は、「私たちはなぜこの事業をやっているのか(Why)」という根源的なスタンスを顧客に伝えるための最強のツールになります。由来があるからこそ、顧客は機能ではなく、そのブランドの「思想」にお金を払うようになるのです。
後付けの「由来」は顧客に見透かされる
AAII編集部: では、名前を決めた後に、かっこいい由来を考えれば良いのでしょうか。
藤井: それは最もやってはいけない失敗パターンです。響きや字面の良さだけで「おしゃれなフランス語」などを選び、後から強引に意味をこじつけた「後付けの由来」は、顧客にすぐに見透かされます。
AAII編集部: なぜ後付けだとバレてしまうのでしょうか。
藤井: 事業のプロセスや、創業者自身の原体験(DNA)と全くリンクしていないからです。
「響きが良くて、なんとなく『絆』という意味があるからこのフランス語にしました」と語られても、そこに創業者の血の通ったストーリーがなければ、顧客の心は1ミリも動きません。それは由来ではなく、ただの言い訳や自己満足のポエムに過ぎないのです。
「語れる名前」が、最強の広告塔になる
AAII編集部: 本物の由来を持ったブランド名は、ビジネスにおいてどんなメリットをもたらしますか。
藤井: 最大のメリットは「顧客自身が、ブランドの広告塔になってくれること」です。
本当に心が動く由来を持ったブランドに出会うと、人は誰かにそれを話したくなります。「このブランドの名前、実はこういう意味があってね」「創業者のこういう想いから来てるんだって」。このように、由来というストーリーは非常に「口コミ(UGC)」を生み出しやすい性質を持っています。
AAII編集部: ファンが勝手にブランドの魅力を広めてくれるわけですね。
藤井: はい。広告費をかけて「うちの商品は質が良いです」と宣伝するよりも、熱狂的なファンが「ここのブランドの由来、すごく素敵じゃない?」と友人に語ってくれる方が、はるかに高いコンバージョン(購買)とLTV(継続率)に繋がります。
語れる名前(ストーリーのある由来)を作ることは、そのまま最強のマーケティング戦略になるのです。
100案の検証で「本物のストーリー」を削り出す
AAII編集部: ポエムではない「本物の由来」を持った名前を作るには、どうすれば良いのでしょうか。
藤井: いきなり名前を考えるのではなく、前々回の記事でもお伝えした通り、まずは「コンセプト(誰に、どんな価値を、どんなスタンスで提供するか)」を徹底的に言語化することです。そして、そのコンセプトと創業者の「原体験(DNA)」を深く結びつける作業から始めます。
AAII編集部: 創業者のDNAから、言葉を抽出するのですね。
藤井: はい。たとえば、創業者の中に「過去にこんな悔しい想いをしたから、この事業で社会を変えたい」という強烈な原体験があったとします。その泥臭い想いやスタンスを、どうすれば一番美しく、かつ直感的に伝わる短い言葉(ブランド名)に翻訳できるか。
そのために、AAIIでは50〜100案という膨大なアイデアを出し、検証します。「このメタファー(暗喩)なら、創業者のあの体験を美しく表現できる」「この言葉は響きは良いが、事業の泥臭いスタンスと合わないから捨てる」。
この100案の検証プロセスは、単に言葉を探す作業ではありません。創業者の人生や事業の核となる「本物のストーリー」を、一つの言葉へと削り出していく作業なのです。
最後に:あなたのブランドの「はじまり」を言葉にしよう
AAII編集部: 最後に、ブランド名やその由来の言語化に悩んでいる方へメッセージをお願いします。
藤井: 強いブランドには、必ず「誰かに語りたくなる熱いストーリー」があります。しかし、そのストーリーは自分たちだけでは意外と言語化しづらいものです。客観的な視点がないと、どうしても独りよがりなポエムになってしまいがちだからです。
あなたの中に眠っている事業への熱量や原体験は、間違いなく素晴らしい価値を持っています。だからこそ、それを安易な外国語や後付けの由来で薄めてしまわないでください。
AAIIでは、プロのコピーライターがあなたの想いを徹底的にヒアリングし、事業のDNAと完全にリンクした「本物の由来」を持つブランドネーミングを考案します。ファンが熱狂し、語り継ぎたくなる最強のストーリーを共に創り上げましょう。
AAII ブランド開発支援:事業を勝たせる社名考案・ネーミング開発
「ブランド名」を単なる言葉遊びやポエムで終わらせないために。
AAIIでは、いきなりネーミングを提案することはありません。まずは創業者の原体験(DNA)と事業の軸となる「コンセプト」の言語化から徹底的に伴走します。
その上で、50〜100案の徹底した検証プロセスを実施し、顧客の心を動かし、誰かに語りたくなるような「本物の由来(ストーリー)」を持ったネーミングを考案します。
単なるモノ売りで終わらせず、長く愛される「ブランド」へと昇華させるためのタグライン開発、そして事業成長を見据えたマーケティング戦略まで一気通貫で伴走し、熱狂的なファンと口コミを生み出します。
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